山岸塗装

PROCESS — 塗りが仕上がるまで

一個が仕上がるまでの、
9つの手。

3Dプリントの造形物が、量産品と見分けがつかない外観になるまでには、決まった順序があります。派手なのは色を吹く瞬間だけ。その前後にある地味な工程こそが、仕上がりを決めます。自動車補修の手順を、一手ずつ開きます。

SEC. 01COATING STRUCTURE

塗装は、
層でできている。

仕上がった塗面は一枚に見えますが、実際は役割の違う層の積み重ねです。下から順に、造形物・プラサフ・ベースコート・クリア。積層痕は、下の層で吸収して消します。

3D PRINT — 積層痕 (layer lines)PRIMER-SURFACER — プラサフ (埋める)BASE COAT — 発色層CLEAR (2K) — 保護・艶BUILD-UPLIGHT — 平滑な面が光を素直に返す

造形物3D PRINT

出発点。表面には積層痕という横縞がある。

プラサフPRIMER-SURFACER

積層痕を埋めて平滑化し、塗料の密着をつくる下地。

ベースコートBASE COAT

色を決める発色層。メタリック・パールもこの層。

クリアCLEAR (2K)

2液ウレタン。色を守り、磨かずとも深い艶を出す。

SEC. 02THE 9 STEPS

受け取ってから、
送り出すまで。

FIG.02a
ベルトサンダーで研磨する手元
下地をつくるSANDING & PRIMERPhoto: mazinomron / Unsplash
FIG.02b
色を吹き付けるスプレーガン
色を吹くBASE & CLEARPhoto: createasea / Unsplash
FIG.02c
塗装が仕上がった車体
仕上がりTHE FINISHPhoto: cmreflections / Unsplash

STEP 01

受け入れ・確認

INTAKE & INSPECTION

届いた造形物を確認します。造形方式と素材、積層痕の状態、欠けや反りの有無を見ます。初めての素材なら、いきなり本番にはせず、テストピースで塗料の相性を確かめてから進めます。

なぜ — 素材ごとに塗料の乗り方が違うから。最初の見極めが、後の失敗を防ぎます。

STEP 02

積層痕の研磨

SANDING — #800

#800 の紙やすりで、積層痕を面ごと研ぎ落とします。ここで縞の大半を物理的に消します。細いディテールや薄い壁は、力を入れすぎないよう手加減しながら。

なぜ — 積層痕は塗料では消えません。縞を消すのは、塗料ではなく研ぎです。

STEP 03

洗浄・脱脂

CLEANING & DEGREASING

研磨後、水洗いで削りカスを流し、脱脂剤(シリコンオフ)で油分を除去、タッククロスで微粉を拭き取ります。光造形品は、未硬化レジンの洗浄と二次硬化もここまでに済ませます。

なぜ — 油分が残ると塗料が弾き(ハジキ)、密着不良や膨れの原因に。脱脂を怠ると、あとで必ず出ます。

STEP 04

マスキング

MASKING

塗料を乗せない部分、塗り分ける境界を養生します。曲面や細部に沿ってテープを貼る精度が、塗り際の美しさを決めます。可動部や勘合部があれば、噛み合わせを保つよう保護します。

なぜ — マスキングの技術は、そのまま仕上がりの輪郭に出ます。地味ですが、差が出る工程です。

STEP 05

プラサフ(下塗り・中塗り)

PRIMER-SURFACER

プライマー(密着)とサーフェイサー(凹凸埋め)を兼ねたプラサフを吹きます。厚膜タイプで微細な段差を埋め、研磨で残った細かな傷を覆う。塗料が乗る土台を、ここでつくります。

なぜ — サーフェイサーを省くと密着も発色も落ちます。塗装の出来の大半は、この下地で決まる。

STEP 06

足付け・水研ぎ

WET-SANDING — #1200

プラサフが乾いたら、#1200 の耐水ペーパーで水研ぎします。摩擦熱を抑えながら表面を整え、あえて細かな傷(足)をつけて、上塗り塗料の食いつきを良くします。

なぜ — つるつるより、わずかに足がある方が塗料は密着します。平滑さと密着の、両立点です。

STEP 07

ベースコート(色)

BASE COAT

いよいよ色を吹きます。一度に厚く吹かず、薄く数回に分けて重ねる。塗る方向を層ごとに変え、乾燥間隔(フラッシュタイム)を取りながら発色を積み上げます。メタリック・パールは、この膜厚の管理が仕上がりを左右します。

なぜ — 厚塗りはタレ・ゆず肌・ディテールの潰れを招く。薄く、数回。これが均一な発色の条件です。

STEP 08

クリアコート

CLEAR COAT — 2K URETHANE

2液ウレタンクリアを吹きます。3コートパールの場合は、ベースとクリアの間にパール層を挟みます。主剤と硬化剤が反応し、硬く平滑な塗膜そのものを形成する——だから、吹きっぱなしで深い艶が出ます。

なぜ — 2液ウレタンは磨かずとも光る。だから鏡面磨きをしません。その時間を、数量対応と価格の還元に回します。

STEP 09

常温硬化・検品・発送

CURING & SHIPPING

2液ウレタンを常温で5〜7日かけて完全硬化させます。硬化を確認したら、発送前の検品へ。タレ・ゆず肌・色ムラ・異物・密着・エッジ・硬化——項目を確認し、養生・梱包して発送します。

なぜ — 硬化を待たずに送れば、輸送で傷みます。急がば、回る。完全硬化を待つのは、届いてからの品質のためです。

SEC. 03THE BOOTH

きれいな空気でしか、
きれいには塗れない。

塗装の大敵は、宙を舞うホコリです。だから塗装は、専用のブースの中で行います。フィルターを通した清浄な空気を上から下へ流し、オーバーミストとともに床下へ排気する——異物混入をふせぐ、目に見えない設備です。

5ミクロン

二次フィルターが捕集する埃の大きさDUST CAPTURED

90%超

一次フィルターの外気ダスト捕集率PRIMARY FILTER

上→下

清浄空気の流れ(ダウンフロー)DOWNDRAFT AIRFLOW

※ 一般的な自動車塗装ブースの仕組みです。それでも極小のゴミは付着し得るため、最終的な確認は検品工程(サービスページ参照)で行います。

SEC. 04RELATED

工程の、その先へ。

グレード別の料金や数量スライドはサービスページに、素材ごとの下地の作り分けは素材対応ページにまとめています。工程の思想を、色の実例で見たいときは色見本へ。

GALLERYBEHIND THE STEPS

工程を、支えるもの。

地味な工程の積み重ねが、量産品と見分けがつかない顔をつくります。

FIG.03
吹き付けの設備
設備SPRAY EQUIPMENTPhoto: kagan_4854 / Unsplash
FIG.04
精密な機械
精度PRECISIONPhoto: kadircelep / Unsplash
FIG.05
塗装面の質感
質感THE SURFACEPhoto: apryan_cahyo / Unsplash

この9工程を、
あなたの一個に。

サイズ・個数・グレードが分かれば、概算をお出しできます。まずはご相談ください。

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